カラブリア州でツーリングクラブ・イタリアーノ(Touring Club Italiano)のオレンジフラッグ認定を受けた村が増えました

イタリアの魅力的な場所を紹介するガイドは色々ありますが、そのうちの一つツーリングクラブ・イタリアーノ(Touring Club Italiano)が認定するオレンジフラッグ(Bandiera Arancione)。
1998年に始まった認定は、歴史的・文化的・環境的に価値ある遺産を有するだけでなく、観光客に質の高いおもてなしを提供する地域に授与されます。

現在300を超える認定地のなかに、新たにカラブリア州コセンツァ県パパシデロ(Papasidero)村が加わりました。
これで、カラブリア州内の認定地は7カ所となります。

目次

ツーリングクラブ・クラブイタリアーノのオレンジフラッグとは

ツーリングクラブ・イタリアーノ(Touring Club Italiano)は、1894年に自転車愛好者向けツーリングクラブとして発足し、イタリアを旅するための様々なサービスを展開。その後、発足当初の理念はそのままに、観光地図やガイドブックの作成を通してイタリアの観光大国化を後押しし続けている民間団体です。

オレンジフラッグとはツーリングクラブ・イタリアーノが独自に設ける認定制度で、旅行者の訪問体験を重視して考案されたもの。歴史的・文化的・環境的に価値ある遺産を有するだけでなく、質の高いおもてなしを提供できる地域に授与されます。

似たような団体に「イタリアの美しい村(borghi più belli italia)」がありますが、こちらは「村」を評価する協会。
見落とされがちな小さな村々に息づく歴史、芸術、文化、そして景観という豊かな遺産を評価・促進することを目的としており、村そのものを評価する点がツーリングクラブ・イタリアーノと異なります。

パパシデロってどんなところ?

今回、新たにオレンジフラッグ認定を受けたパパシデロ(Papasidero)は、カラブリア州コセンツァ県の北部、バシリカータ州との州境に広がるポッリーノ国立公園内に位置する小さな村。

古くからから村の中を通るラオ川沿いに人々が暮らし、海沿いの地域との交易がおこなわれていた痕跡が残る場所。
ローマ時代からビザンツ時代を経て近世まで、内陸交通の要衝として栄えました。
そして現在は、南イタリアで唯一の自然のコースでラフティングができる村、そして先史時代の遺跡を見学できる村として知られています。

パパシデロの見所、パパシデロでできること

ビザンツ時代の残り香

ラオ川沿いに作られた村には、村が大きく発展したビザンツ時代の遺跡が多く残ります。
村側から石橋を渡った先にある教会(Santuario Madonna di Costantinopoli)はビザンツ時代の建設。
そして村内に残された小さな礼拝堂(Cappella Santa Sofia)の中には、当時の壁画が残ります。
どちらも普段は施錠されているので、村の観光案内所経由で訪問します。

洞窟遺跡

史跡好きなら行って損は無いのがロミート洞窟(Grotta del Romito)。
およそ170000年前ごろの後期旧石器時代から新石器時代ごろまでにこの地に暮らしていた人たちの痕跡を見ることができます。
もっとも有名なものが、一切の迷いなく石に刻まれた牛の線画(Graffito del Bos Primigenius)。
そして、埋葬跡。
現在も発掘調査中の遺跡は、ガイド(村の職員)と一緒に訪問可能です。

Grotta del Romito 車が無いと到達できません

ラフティングなど野外アクティビティ

ラオ川で行えるラフティングは、南イタリア唯一の自然のコースということで春から秋までにぎわいます。
スカレア市など海沿いの街から日帰りツアーを出している会社も多く、初心から上級者まで楽しめるとあって、予約は結構早めに埋まってしまうそう。

この他、おおよそ大自然のある所で可能な野外アクティビティ(トレッキング、サイクリング、MTB、バギーカーでの散策、シューティングゲームなど)が可能です。

探検好きの方に

パパシデロは実は大変広大な地域をカバーし、その一角にはアヴェーナ(Avena)というゴーストタウンも。
かつてはパパシデロに次ぐ住人数を誇った村も、近代化の流れの中で廃村となりました。
建物はいまだに残っていて、日中であれば危険はない事から廃村を目的に訪問する観光客も存在します。

ご飯が美味しいですー

大変個人的な意見ながら、さすがイタリア最大面積を誇るポッリーノ国立公園内で、さらにラオ川の豊かな水に支えれた村だけあって、ご飯がほんっとに美味しいです。
野菜も肉も地産地消。
村を訪問すればすぐに見えてくるのが、高い石垣でおおわれた畑の多さ。
その畑で採れた野菜、もうすぐそこに気配を感じる家畜から作られるチーズやサラミ。
美味しくないわけがないよねっていう、地味だけれども慈味にあふれた郷土料理の宝庫です。
なお牛を飼う伝統は最近の物なので、地場産チーズと言ったらヤギ乳が原料。
苦手な方様に牛乳由来のチーズも今はふんだんにあるので、遠慮なく申し出てください。

パパシデロに行こう!

車を持たない訪問者がパパシデロを訪れるのはちょっと大変。
旅の起点となるのはティレニア海沿いの街・スカレア(Scalea)市になります。

街の外れにあるスカレア駅には、電車によってはローマ~レッジョカラブリアもしくはシチリア行の急行も停車します。(特に夏場はビーチへ向かう観光客のために停車する本数が増えます。)

ここから、パパシデロを経由してポッリーノ国立公園内部のモルマンノ(Mormanno)市までのバスが出ていて、こちらを利用してパパシデロを目指します。
バスの本数が少ないので…こればっかりはご注意を。

もしくは、スカレア市など海沿いの街に拠点を置く現地発着ツアーを企画する会社経由を利用し、日帰りもしくは1泊で訪問する人が多いように感じます。

車で訪問するのなら、海沿いからならスカレアから内陸に入るのが一番安全なルートです。
スカレア以南のサンタ・マリア・デル・チェードロあたりからの進入路もあるけれど、こちらは途中舗装がほぼされていない道を通ることになるので…運転に相当自信がある人以外はスカレアからパパシデロに向かいましょう。

高速道をからは、モルマンノ出口からパパシデロの標識通りに運転すれば、約30分で到着です。

パパシデロに宿泊?

パパシデロ村内にホテルはありません。
滞在を希望する人は、B&Bかアパートに宿泊します。

パパシデロは山間部の村。
村の中を通るスカレア~モルマンノを結ぶ幹線道路沿いは平たんですが、わき道に1本入ると結構な坂道です。
古い村なので車が通れる道も少なく、建物もおしなべて古いので階段が基本。
荷物の多い場合は幹線道路沿いに宿を決めるか、1泊用の小さな荷物を準備してから向かうと良いでしょう。

車がある場合は、パパシデロ村内ではなく近隣に宿をとることもおすすめ。
夕食のサーブがあるところは、ポッリーノ国立公園内の山の幸や郷土料理をふんだんに召し上がっていただけます。

おまけ

なお不肖私、パパシデロ村には非常に縁がある関係で、まぁ普通は無理だろうねっていうケースでも大抵の事ならオーガナイズできます。

カラブリア州からオレンジフラッグ認定を受けている地域

ツーリングクラブ・イタリアーノから歴史・文化に優れた価値を持ち、環境保護の視点からも、訪問者へのおもてなしについても価値があると評価され、オレンジフラッグ認定を受けているのは以下の地域です。
他州に比べるとまだまだ少ないですが、リスト内の市町村はどこも魅力的な訪問地ばかりですよ。
訪問が難しいところも多いですが、次の訪問先候補にぜひ!

コセンツァ県内

  • チヴィタ(Civita
  • モラーノ・カラブロ(Morano Calabro
  • オリオーロ(Oriolo)
  • パパシデロ(Papasidero)← New!

カタンツァーロ県

  • タヴェルナ(Taverna)

レッジョカラブリア県

  • ジェラーチェ(Gerace
  • ボーヴァ(Bova

Touring Club Italiano

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

お問い合わせはお気軽にどうぞ

目次