コセンツァの裏山的なシラ国立公園内には「シラの巨人(I Giganti della Sila)」と呼ばれる、カラブリア州特有種な杉の巨木群があります。シラ国立公園は現在でこそ深い森に覆われているけれど、酪農の為の伐採、第二次世界大戦前~戦後の海外(主にドイツ・イギリス)からの無理やりな樹の買い付けなどにより『ほぼ樹のない場所』となってしまった経緯があります。
現在のシラ国立公園の森を形成するのは、裸の大地に植林を始めた約60年前に植えられた若い樹たち。そんな『若い森』のシラ国立公園にあって、樹齢平均300年、最古の物で樹齢約400年のカラブリア特有種の杉が、自然に杉が生育できる密度の約50倍という密度でみっしり生えている場所があります。
長らく州の管理下にあって、コネでもない限りはいつ行っても見学できない場所として有名だったんですが(笑)、しばらく前にFAIという文化財保護活動をする団体が管理をはじめ、しっかりと見学できるように場内を整備しました。
ガイドも常駐。予約すれば場内の案内もしてくれます。ちなみに入場料は大人5ユーロ(2018年夏現在の値段)。団体料金もあります。
夏場は19時まで営業。冬場は日没まで営業しています。
木道をぐるっと回ると場内を一周できるようになっています。
この巨木群は1700年代にこのあたり一帯の土地の持ち主で、この杉の保護活動を始めたのがナポリ貴族のMollo家のお陰で現在に当時のシラ国立公園一帯の森の様子を伝える場所と言われ、カラブリア州が世界に誇る自然文化遺跡でもあります。
『シラの巨人』と呼ばれる杉は60本弱あって、すべての樹にナンバーと幹の太さ・樹高がわかるようになっています。それぞれの樹にそれぞれの歴史があって、その形からヨーロッパ内で非常に有名な樹もあります。我々が滞在時は、ドイツからわざわざこの樹に会うために来た、というグループに遭遇しました。
こちら、雷によって幹が割れたと言われる巨人さん。長い歴史の中で特徴のある姿になった巨人ばかりです。巨木でなく『巨人』っていうの、面白いなーと♡
場内はゆっくり巡っても1時間程度で見て回れます。高低さもあまりなく、歩きやすい靴を履いていればOK。深い森なので、夏でも肌寒い日もあります。ご注意を
コセンツァからカミリアテッロ村方面への国道をひたすら走ると、シラの巨人への国道出口が現れます。(カミリアテッロ村への出口の次ぐらいカミリアテッロ村から下の道でクネクネ行くことも可能)
あとは道路標識に沿って行くだけ。表通りに駐車(路駐)し、標識を頼りに3分ほど歩くと入口がありますよ。
巨人さんたちの周辺環境についてはまた明日。