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【ご報告】豚肉加工に明け暮れる、カラブリア州豚仕事ツアー終了しました。

カラブリア州は豚肉加工品でDOCが3つもある、豚肉大好き州。そんなカラブリアの農家さん宅にて、豚から始める豚肉加工作業を行う「カラブリア州豚仕事ツアー」を開催しました。その際の様子をグロイ写真無しのあちこち配慮モードで(?)ご紹介します。

ちなみに豚さんは自家製豚。家で生まれて購入した飼料をいっさい与えず、手塩にかけて育てた豚さんのみを使う昔ながらの農家さんの作業を見学・体験いただきました。

購入した豚肉でサラミつくりなんて、ココでは邪道よ♡

ひたすらのどかな場所にある作業小屋にて豚の解体作業が行われます。

生きている豚さんを〆るところから見学可能ですが。。。今回は、すでに〆て血抜きし、きれいにした豚さんから作業開始。塊肉を見たことのない方はびっくりするかな?程度のインパクトだったと思います。

豚は大まかに切り分けられ、まず始まるのがンドゥイヤ(’nduja)用の肉の加工。カラブリア州でも、ンドゥイヤを作るのはトロペア近郊のみ。最近はあちこちでマネッこしてますが・・・使う乾燥パプリカとトロペア界隈の特殊な気候が無いと本当のンドゥイヤの味になりません。

ちなみにコゼンツァのサラミ屋でも作っているところがあるけれど、やっぱり美味しくないw

脂身の多い部位と乾燥させた自家製パプリカを一緒に挽きます。乾燥パプリカも加工前にひと手間加えていたりします♪

その後、サルシッチャ、ソプレッサータ用のそれぞれのひき肉が作られます。私の住むコゼンツァでは包丁2刃流でガシガシ肉を叩くけれど、農家さんのいる地方では機械を使って挽くのが一般的だとか。豚1頭程度なら叩くけど・・・との話が出たのは、12月10日から1月14日まで、3日間しかお休みを取らずに毎日毎日豚肉の加工をしているから!

近所に豚加工用の小屋を持っている人が減り、お願いされて加工することが増えたんだそう。。。お疲れ様です。。。

ちなみに、そのまま美味しいロースト用の部位やフィレ肉は塊のまま保存します。要するに、美味しい部分を取り除いた「残り」で豚肉加工品は作られているわけですね。

挽いて塩をした肉は腸詰されます。扱う肉の量がとてつもないので(本日は200㎏の豚さんをすべて加工)、腸詰用の肉の押し出し機を使います。手動でハンドルを回すとピストル状のところからお肉が出る仕組み。ピストルの銃口部分に腸をかぶせておけば容易に腸詰できるって寸法です。本格的♡

腸詰されたサラミは、それぞれの特徴にあった結び方で紐を掛けられます。で、重要な作業「空気抜き」を経てようやく完成♪

空気抜きは剣山のような道具で紐をかけられたサラミにぶちぶち穴をあける作業。相当地道な作業ですが、お肉を触るのが苦手な方もこれなら大丈夫かと。。。

お昼ご飯休憩をはさんで、各種サラミが山盛り出来上がりました♡

塩やパプリカで増量されているので、とてつもない量のサルシッチャが山積みに。ちょっとしたお宝ですよ、お宝w

これで腸詰作業はいったん終了。

コーヒーブレイクをした後に、今度は腸詰をしないサラミ類の加工を見学します。

腸詰しない=塊で美味しい♡部位を使ったサラミ類の事。

本日はグアンチャーレ(あごの部分)とカポコッロ(首の部分)の加工を見学しました。ちなみにカラブリアではカポコッロの事をカピコッロと呼ぶ地域が多いです。

腸詰しない部位は、最終加工のこの段階まで来るのにちょっと特殊な下準備を経る必要があるけれど、そこもしっかり見学♪

これだけ見たらご自宅でできるよね。。。っていう程、しっかり見学いただけたかなーと思います。

そして、ンドゥイヤを作るこの地域ならではのこの光景! 燻製室の中の様子も見学させてもらいました♡

全部ごそっと持って行きたい~とか言いながらの見学。燻製室は小さな建物丸々が使われていて、燻製方法は秘密。使う木に工夫があるんだそうで、燻製用の材料についてはそれぞれの家庭で伝承されています。

ンドゥイヤを作る地域では、サラミを作ったらすぐに燻製室へ入れて燻し、それから熟成させます。コゼンツァでは、出来上がったサラミはそのまま屋根裏部屋などに吊るされ、たまーに煙を掛けに行く程度。なので、私が彼らのサルシッチャをいただくと「The燻製」の香りをまず感じる。。。という位、作り方と味に差があります。ツアーを通じて、そのあたりも感じていただけたかしら?と思います。

「カラブリアのサラミ」と呼べないくらいのバリエーションの豊富さが、カラブリア州産サラミの魅力なんですよん♪

敷地の一角には生後数か月の子豚ちゃんも。秋生まれのこの仔たちは、カラブリア州の黒豚と呼ばれる品種で、成長速度が遅いものの超美味なお肉が珍重されています。でも数が少ないのが玉にきず。

こーんな子豚ちゃん達も、繁殖用の雌を除いてすべて来シーズンに食肉に加工されます。本日加工した豚さんも、春に生まれて作業日前日に〆られているわけで。。。命をいただくありがたさを実感する作業でもあったと思います。

これを「豚さんかわいそう~」とか思うなら、豚肉は今後一切食べない方が良いと思う。。

丸一日がかりだった豚仕事を通じて、カラブリア州に息づく「食」に対する真摯な姿勢を見て・感じていただけたかな?と思います。

農家さんでは12月中旬から1月中旬にかけて連日のように豚仕事が行われているので、今回のようなツアーでなくても見学は可能。ちょーっと見学したい方も、がっつり体験した方も、お気軽にお問い合わせください♪

 

豚仕事の時期:12月20日前後~1月15日ごろまで

 

 

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

お問い合わせはお気軽にどうぞ

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