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アマルフィのもう一つの顔。紙の博物館へ

南イタリアのアマルフィは世界中から観光客が押し寄せる風光明媚な観光地。そして「紙」の産地としても有名です。先日、豊富な湧き水を利用した製紙の文化を伝える小さな博物館に行ってきました。

場所もすごーくわかりやすいです。暗渠になっている運河の水音を聞きながらメインストリートをひたすら登ると、左側に博物館がありますよ。

入場料を支払い(訪問時は一人4ユーロ)、ガイド付きで見学します。しかもお土産付き♪

アマルフィの紙は、綿製品を再利用して作られていたとか。

服などに使われていた綿を「ある物」を使い漂白し、こちらの機械で叩いて叩いてペースト状にしたんだそうです。「ある物」についてはガイドさんに聞いてください。私は「ある物」に普通にびっくりしたけどw

動力はもちろん水。豊富な湧き水で水車を回していました。隣のポジターノは現在でも水不足気味な街なのに。。。

16世紀ごろまではこの木づちで叩きまくってペーストにしていたようで、なんと24時間ぶっ続けで叩くとやっと製紙加工できる綿ペーストになったんだそう。

製紙工場はアマルフィのメインストリート沿いに10数軒あったそう。こちらの博物館も1969年まで稼働していたそうで。。。工房の近代化と同時に博物館になりました。

ところで施設内のこの水路、とてつもない工夫があって楽しかったです。水資源が豊富とはいっても所詮は湧き水。水車を常に動かすための工夫があちこちに♪

大切な大切な紙なので、製紙工場の透かし模様が入ります。各工場がそれぞれの模様を持っていたんだとか。

今はアマルフィの模様で統一されています。

ここからは、日本の紙すき作業とほぼ同じ。

綿ペースト&水の中にざぶんと入れて、紙の形にとれた綿ペーストを羊毛の上にのせて・・・乾かす。

羊毛(フェルト)を使うんだーと密かに感心しておりました。。。

見学時、実際に水車を使って機材を動かしてくれたりします。200年以上前の機械がごうんごうんと動く様は圧巻!

羊毛にとった紙は重ねて換気の良い場所で乾燥させ、必要な大きさに切ったらプレスします。こちらのプレス機が押さえているのは1969年にこの工場で生産された最後の紙で、包装紙だそうです。50年近くプレスされ続けている包装紙もお疲れ様です(笑

乾燥させた紙にインク滑りをよくするための釉薬(コレの原材料にもびっくり!)を塗り、さらに乾燥させて出来上がり。

アマルフィの紙は、高級紙の代名詞。現在でも結婚式の招待状などに使います。また、名刺用紙やビジネスでの用途も多く、大切なやり取り用の紙は「アマルフィの紙」と指定する人も多いように思います。アマルフィの透かしは大げさすぎず、知っている人にはわかる、といった風合い。ここに自社の透かしも入れてもらったりしてカスタマイズするのがオシャレなんですわw

着物の裏地でおしゃれした時代と似てますよね♪

私たちも結婚式の招待状はアマルフィの紙だったし、私が働く事務所でもアマルフィの紙はあちこちに使われていて。。。意外とイタリア人にとっては大変身近な存在。

ざらっとした厚手の和紙のようで、使い心地も良く。。。日本人にも親近感もわく風合いですよ♡

ところで工場の片隅でほこりをかぶっていたこちら。なんと60年代後半のエスプレッソマシーンです。

工場で働いていた人たちがコレを使っていたんだとか。エスプレッソしてからお仕事、のスタイルは変わらないんだーw

現在も工場内でちんまりほこりをかぶっています。当時、電動&ポータブルって凄い技術だったんじゃないの?と思ったり。。。

英語での見学も可能のようですよ♪

 

紙の博物館 Museo della carta (

Via delle Cartiere 23, Amalfi

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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