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イタリアにおける地震等への備えについて。私たちが出来る事。


日本時間3月16日23:30分過ぎに発生した地震(福島県沖が震源)で被害にあわれたみなさまにお見舞い申し上げます。
余震も続いているようですので、どうぞお気をつけてお過ごしください。

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イタリアにおける地震等への備え

全く偶然なのですが、日本での地震発生数時間前にこんなツイートをしていました。

カラブリア州を含め南イタリアの西海岸沿いは歴史的に大地震発生地域で、8万人~10万人の犠牲者が出たと言われる1908年のメッシーナ海峡の地震や、1980年のカンパーニア州からバシリカータ州にかけての地震(約2900名が死亡)が記憶に新しい物です。

イタリアにも耐震設計や免震構造についての法律はありますが、対象となるのはその法律が発効した後に建築された建物。ま、イタリア中の古い建物すべてを耐震化するのは財政的にも技術的にも全く現実的で無いので仕方ないのですが、つまり、古い建物の中には「建っているだけでも奇跡♡地震があったら絶対崩れる」な建築物も多く、インフラ的にも(古くて)脆弱な場所とそうでない場所が混在する街に我々は住んでいる訳です。

ここで該当法発効後に建築され、耐震構造があるはずの建物が実は、などという話をしだすときりがないので割愛しますが、こういったダメな建築を確信的に(違法に)する側がいると同時に、100年に1度来るかな程度の地震に大金を出して備えるよりも目の前の利益が大事だし、などと考え、ケチっちゃいけない場所をケチる人も少なくありません。

また、義務教育中に避難訓練があったりする特殊な国・日本出身者としては、子供の頃からの訓練や啓蒙も大切なんじゃと思うのですが…まぁそのあたりも非常にふわっとしています。幾度も激震被害にあったカラブリア州でもふわっふわです。

流石にそれじゃいかんだろという訳で、イタリアも国を挙げてキャンペーンをしているのですが、まぁ色々と芳しくない。情報がなかなか周知されないのが関係者のお悩みでして…という状況がずーっと続いており、そんな経緯もあって「イタリア、実はちゃんとサイト作って啓蒙活動しているよ」という意味合いでツイをしたのでした。

ところでカラブリア州の我が家と界隈では

ところで。
カラブリア州についていえば、およそ100年に1度の頻度で大地震に見舞われており、その都度甚大な被害が出ています。80年代、州北西部の「何だかずっと揺れてる」状況を体験し、当時の記憶を持つ方たちもかなりご高齢ではありますがまだまだ現役で、私の義理一族の中にもご存命の方がいます。

このような方たちの持つ危機感と地震大国から来た嫁というコンボ()で、2011年以降は義理の一族からも持ち出し用袋について聞かれたり、義理の一族の誰かから伝え聞いた人から「日本でやってるらしいもしもの時の備え」について聞かれたりなどしており、実は知りたいけれどどこに、誰に聞けばよいのかわからないと言うイタリア人もそれなりにいるんだなーという印象です。

冒頭写真の「東京暮らしの防災」は、本当に基本的な事が平易な文章とカジュアルな絵()で描かれており、とても読みやすい作りで、ぱらぱらと読むにはもってこいの冊子になっています。
私は自分用にイタリアに持ってきたけれど、イタリア人とこういった「備え」について話す時に手元において、話忘れが無い様に使っています。

※アマゾン経由で電子書籍でしたら無料で入手できます。紙でも200円しませんので、この機会によかったら。(アフィサイトじゃないのでリンク張らないけれど、検索ですぐ出てきます)

地震大国を自負する日本から来ている私たちが、身近な人に「日本ではこんな風に備えているよ」といった知識を伝えることも重要かな、と常々思っているのでね…こういった質問は大歓迎よね。

IONONRISCHIO

実はイタリア、地震についての研究も盛んで、ANPAS、INGVなどが最前線で情報発信をしているのですが…まぁビックリするぐらい知られていないんですよね。

ツイで言及したサイト、IONONRISCHIOはイタリアにおける災害発生時のノウハウ的なサイトで、日本のソレに比べると少し見劣りするものの、非常に平易な言葉で情報がまとまっています

@IONONRISCHIO

地震についていえば、過去に発生した地域や現在地殻変動が活発な所の地図や、実際に地震が発生した際に「最初に何をすればよいか」などのリストを掲載し、このリストを見ながら日本人の私たちが身近な人たちとちょっと真面目に、地震発生時どう行動するのか、自宅が倒壊した場合などの緊急集合場所、持ち出し荷物を(小さくでも良いので)作ったりした方が良くない? といった様な…日本人的には当たり前な備えについてお話する機会を設けるというのも、実は大変重要な事ではないかなと思う次第です。

ニッポン人の私がっ!イタリア人にわからせてやろう!!ではなく。
皆で一緒に考える。話し合う。私たちだからできる、そんな機会を。

IONONRISCHIO) 
洪水、津波、地震、火山噴火 などの災害発生時についての行動の仕方などをまとめたサイト
英語バージョンも選べます。

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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