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(2021年現在)ヨーロッパで最も標高が高いところにあるワイナリー訪問の際の舞台裏

先日、イタリア好きさんのサイトでカラブリア州内にある「ヨーロッパで最も標高が高い所に畑を持つワイナリー」の記事を公開しました。


記事はこちら(

その中でご紹介しきれなかった裏話など、舞台裏をご紹介します。

目次

ワイナリー周辺環境

1800m級の山々の間に広がる高原地帯のシラ国立公園は、豊富な雪解け水といくつかある人口湖によって水量豊かで、南伊では珍しい清涼な環境を生かした酪農・農業が盛んな場所です。
地元でシラの特産といえば…ジャガイモ・イチゴ・ポドリカ牛とポドリカの乳製品ですね。どれも文句なく美味でございます。

現在は豊かな森に覆われている公園内ですが、戦前・戦中の伐採(英・独軍によるものが大きかった)によって裸の土地になり、戦後に大変な苦労をして植林した歴史があります。

この為、放牧地や農耕地が低地(といっても海抜1200mぐらい)に広がり、海抜1400m前後までは松の森、それ以上の所はブナの森林が深く深く広がる地域となりました。

ワイナリー訪問裏話・訪問者必須の記念撮影(笑

一度過度の伐採により森が消えかけた地域なので、現在樹齢100年を超えている樹は「あの時代の生き残り」としてとても大切にされていて、日本で言いう所の「ご神木」扱いされている樹も多くあります。なお、ご神木リストとでも呼ぶべき一覧も存在します。

今回ご紹介した、2021年現在最も標高が高いところに畑を持つワイナリー・Immacolata Pedace(インマコラータペダーチェ)の敷地内には樹齢600年越えと言われる「ご神木リスト」登録済の栗の木が3本、樹齢300年越えと言われる「ご神木リスト」登録申請中の松の樹が1本ありまして、訪問者はここで記念撮影が決まりがあります(笑

写真提供:Immacolata Pedace

これは、突然松と撮影されることになり戸惑う私(笑
ワイナリー来たのにいきなり松の前で撮影ですよ? 普通戸惑うって…(笑

ちなみに、イタリア好きさんの記事でご紹介したワイナリーの主・エマニュエル氏の写真もこの松と一緒に撮影したものです。後ほどゆっくりご確認くださいませ(笑

ワイナリー訪問裏話・ココだけの話

家族経営の小さな小さなワイナリーなので、色々行き届かないところもあるけれど醸造作業をするところは流石色々厳しいイタリア、とても綺麗でした。

イタリア好きさんの記事で少し触れていますが、そもそも各種ワインを作って売りたい!という目的ではじまったワイナリーではないので、あちこちちょっと手狭で来春にも増築工事が計画されています。
さらに失礼ながら…ラベルも冊子も手作り感満載で「ラベルに惚れて買ってみた」という、所謂ラベル買いの人はいないだろうなーと思うクオリティ。

ただこれは欠点では無くて。ラベルや冊子などすぐ見える所よりも、ワインそのもののポテンシャルを上げる機材(特に小さいけれど最新型圧搾機)に投資し、ウチのワインが好きな人に買ってもらえればよいです!の姿勢で、結果的に大成功している点。

彼らのワインは香りが命。この香りを守る為に必須な所を重点的に投資を行っている印象でした。素晴らしいね。

写真提供:Immacolata Pedace

そんな努力が実って本年、2種類あるロゼのうち、とてつもない注意を払って作られているAnthea(アンテア)が賞を獲得しました。
実は…Antheaというのはワイナリーオーナーのエマニュエル氏のお子さん(2021年8月末の段階で生後3か月の淑女)の名前。元来地元ソムリエの間では評価の高いロゼでしたが、受賞によってまた「買えないワイン」の道を爆走しそうな雰囲気です。

ワイナリー訪問裏話・テクニカルな事

ブドウ畑は標高1260m~1300mの間にcordone separato e guyotという仕立て方。土着品種は寒さに耐えられなかった為、作っているのは全て国際品種です。(品種詳細はイタリア好きさんの記事で触れています)
2.5haの畑は全てBIO。収量制限を設け、1本の樹からは最高2.2㎏(通常2.0㎏)までとし、収穫時期は9月下旬~11月までです。

イタリア好きさんの記事で触れたように、生産本数が少ないのでエクスクルーシブ(専売契約)で販売している為、一般のワイン店での購入は不可能。ワイナリーを訪問して直接購入か、イタリア国内に何ヶ所かあるという専売先でしかこのワイナリーのワインを試飲/購入する方法がありません。


なお…ビックリするほど良心的なお値段です♡

で、訪問すると結局こーなる(笑

問い合わせをすればお近くの契約店を教えてくれるそうなので、気になる方は是非どうぞ。
なお、北欧の一部、ドイツにも販売契約店があるそうです。

ワイナリー情報

インマコラータペダーチェ/Immacolata Pedace

cava di melis, Longobucco
車が無いと到達できません。

ワイナリーのご案内はもちろん可能。試飲付きでご案内します。
シラ国立公園内のチーズ工房訪問、近郊の有名レストランでのご飯や宿泊と合わせたプランもご紹介出来ます。

イタリア好きさんで公開した記事はこちら(

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

お問い合わせはお気軽にどうぞ

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