カラブリア州レッドゾーン化・軽めの(?)ロックダウンしております(涙



既報のように、イタリア国内の数州が「レッドゾーン」となりました。
TOPの写真は、しばらく見納めだからとレッドゾーン化前日に行って来たシラ国立公園からの夕日。遠くにストロンボリ島が見えていました。


レッドゾーンの地域では、今春の全面的な企業活動・外出が禁じられたロックダウンに比べると少し軽めながら、それでも厳しい営業規制や不要不急の外出禁止が定められています。

これに関連し、あちこちからご心配を頂きましてありがとうございます。
カラブリア州コセンツァ市の現状を交えながら、ご質問が多かったレッドゾーン化とは何ぞや?というあたりをご紹介します。
(掲載のデータは11月6日現在の物です)

レッドゾーン化したのは、北から
・ヴァッレダオスタ州
・ロンバルディア州
・ピエモンテ州
・カラブリア州
となっています。その他の州は黄色だったりオレンジだったりで、感染者が増えていない所謂「緑ゾーン」はありません。
黄色とオレンジの差は何よ?!とも思いますが(笑)、まぁこれについては脇に置いておいて。

州知事の「良い子にしていないと火炎放射器で攻撃するぞ」発言で有名になったカンパーニア州は、最も規制が緩やかな黄色です。
感染者数が激増中&ベットコントロールがカラブリアよりずーっと出来ていないのに不思議ですね。忖度ってやつですかねw

それぞれのゾーンで細かいルールがありますが、色が濃くなるにしたがって厳しくなります。
黄色ゾーンとの共通ルール(マスクをして外出など)に加えて、レッドゾーンの地域では以下のルールが定められています。

・市を超えての移動の禁止
・外部からレッドゾーン内への訪問の禁止(通過はOK)
・スーパー・各種修理工、生活必需品を扱う店舗以外の小売店の休業。ただし美容院は営業可
・飲食を扱うすべての店舗(レストラン・バーなど)の休業。ただしテイクアウト・デリバリーは可
・22時以降翌朝6時までの外出禁止(例外あり)
・日中の不要不急の外出禁止
・中学校2年生以上の学校活動の禁止。オンライン授業
・一切のスポーツ活動の禁止(単独・野外ならOK)

※外出の際は自己申告書を持ち歩く必要があります。

この決定を受けて、カラブリア州内では猛烈な反対運動が発生しておりまして、カラブリアの人々のお怒りのポイントは2つ。

・来るのがわかっていた第2波への対応をしなかった行政への怒り
・休業を強いられる業種・営業OKの業種の決定方法が不透明な事への怒り


理由は後述するとして、反対運動の様子がこちら↓

レッドゾーン化前夜(5日)のコセンツァ市内。
お怒りの人たちで相当に密ですね…

レッドゾーン化が始まった6日のコセンツァ県ディアマンテ市。
幹線通りを占拠して抗議活動。陸送のトラックが困っております。こちらも結構密ですね。そしてまだ半そで。海沿いは暖かいんだ…

さらに、

コセンツァ県カロレイ市の市長さんは、11月6日に「こんなルールなどに従っていられるか」宣言をされました。
写真をポチると記事に跳べますが要約すると

政治的判断による一方的なレッドゾーン化には従えない。カラブリア州は人口比の陽性率が国内で最も低い州の1つであり、感染者数も激増していない。
第2波が来ることがわかっていたのに(病床数の増加や医療関係者の確保など)準備を怠った国の失敗のツケを、なぜルールに従ってきた善良なカラブリアが払わねばならないのか。

https://www.corrieredellacalabria.it/politica/item/274847-il-sindaco-di-carolei-non-rispettero-le-regole-del-lockdown/

という物でして、まぁカラブリア州の人々がレッドゾーン化に激怒している理由がすべてここにあるカンジです。

ちょっと文字が小さいですが(笑)、カラブリア州は黄色で囲った部分です。
各州の中でも感染者数が少なく抑えられています。(それでも日々増えていますけれど)

イタリア国内でレッドゾーン化した他州との大きな違いは、この感染者数の増加率。ピエモンテ州などは、1日当たりの感染者増加率が非常に高くなっていること、重症の方が増えている事がレッドゾーン化の主な理由です。

引き換えカラブリア州は、レッドゾーン化された大きな要因が人口に対する病床数・重症者用施設数が少なすぎるからだと言われています。

重要な決定なのに「たぶんこんな理由でレッドゾーン化されました」と言わざる得ない、レッドゾーン化の理由を明確に説明していない政府のポンコツぶりにお怒りのイタリア人も多いのですが…カラブリア州に病床数が少ないのはコロナ騒動が始まるずーっと前から周知の事でして。

これは、財政再建の名のもとに病院数を減らしまくってきた近年の国政・州政の結果なので、そのような政治を支持してきたカラブリア州の人々に全く責任が無いわけでは無いのです。

ただ、5月の段階で冬になったら第2波が来るだろうと言われていたのに、例えば閉鎖した病院の再稼働や臨時稼働に向けた動きや、コメディカル含めた医療関係者の雇用を進めよう、といった国と州の動きは一切ありませんでした。

コロナで一番大変だった春に、州が独自に短期間&激安賃金の医療ボランティアは募集してたけど、夏前にみんな解雇されてるしね。

春に2か月もおこもり生活を頑張ったのに、またですか? 病床数は少ないままにしておいて、どの面下げて(まぁ、お下品♡)国は休業を命令するんですか? というあたりがカラブリアの人たちのお怒りのポイントでございます。

医療関係者による「静かな抗議」も行われました。
国はさっさと人員を増やせ、という物です。ついでに医療設備もカラブリアに回せ、と怒っております。

医療機関は医療機関で、少ない病院に集中して押し寄せる患者さん、しかもコロナだけではなく事故にあった人や別の急患、計画されていた手術をこなさねばなりません。慢性的な人員不足と薬剤も潤沢に回ってこないとか言うウワサもありまして、ちょっとそれどうなのよ?という状況下、激務で頑張っています。

実は、カラブリア州が管理している、医療機関に就職したい人たちのリストは数千人分と言われています。これは、医療機関に希望するポストが空くのを待っている求職中の看護師さんなどのリストですが、このリストを使って片っ端から雇用すれば人員不足は補えるんですけれど…お金かかるからやる気がないですね、国は。困ったもんだ…

ところで、レッドゾーン地域でのルールですが、

スーパー・各修理工、生活必需品を扱う店舗以外の小売店の休業

という物があります。
生活に必要な店舗、スーパーなど食料品をお扱うお店、ペット用品店、各種修理工などの営業は、営業時間を限定してOKとしていて、これは春のロックダウンの際と変わりありません。

なので、コセンツァ市に住んでいる私個人の生活の上で、困る事は全くありません。ウチの周り、スーパーだけでも5軒あるし。
ただ、例えば山の中の小さな村に住んでいたら、色々と不便が多いだろうな…と思います。

全面休業を強いられているのは、レストランやバーを始め衣料品店など。飲食関係のお店にとってテイクアウト用営業を除き全面休業という措置は、経営者には辛いことだと思います。

そして、なんと美容院・理容院は営業OKです!

小売店舗でない事務所、例えば保険屋さんの事務所なども営業OKなあたりが春のロックダウンに比べて「軽めのロックダウン」と言われる所以かな、と。
ただ国は、あそこはダメでこっちはOKな理由をデータを出して説明しているわけではなく、休業を強いられている業種の関係者には非常に不満が残っているわけです。生活かかってるし。

そして、

中学校2年生以上の学校活動の禁止

というルールも物議をかもしております。
日本の中学に当たる学校で、1年生は登校して授業。2年生以上は在宅でオンライン授業となりました。(高校・大学は基本的にオンライン授業です)

実は、学校のインフラ整備も進んでおらず(お金ないから)、地形的にも設備的にもWifiが入らない学校もあります。
この場合、例えば1限目を1年生、2限目2年生担当の教諭は…1限目終了後ダッシュで帰宅して家から自前の回線使って授業するの??といった問題も局地的に発生しており、家庭の経済力がイコール子供の学力になりかねない事態に、まぁ…なんというか、関係者各位ご愁傷様な事になっておりして、色々な方向から国の方針にお怒りの方が続出…という訳です。

写真はレッドゾーン化前日(5日)夜の我が家の下の渋滞っぷりw
あちこち出歩けるのもしばらくお預けとあって、お買い物・市内散策に来ていた人が多かったように思います。

飲食関連や観光・サービス業の人たちには辛い日々が続きますが、国の決定が覆らない限り、カラブリア州のレッドゾーンは約1か月続きます。
もはや焦土作戦の様相を呈して来た感がありますが、何とか乗り越えた先に、皆が笑い合える未来を信じて。
イタリアで、これ以上悲しいことを聞かずに済むように。できることを淡々とこなして行きたいと思っています。

画像の出典
Panorama
Corriere della Calabria
Tigcom24
quotidiano del Sud
Gazzetta del Sud

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