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BIOのハチミツ作りは寄生ダニ・バロア(Varroa)との闘い、でもあるってこと

バロア(Varroa)はミツバチヘギイタダニと言われるダニのことで、成虫は目視できるぐらいの大きさ。ハチさん達に非常に有害なウイルスの媒介もしてくれ、そもそもダニだけで巣箱を全滅させるだけの力のある恐ろしい相手です。

もともとアジア圏に生息していたとされ、日本のミツバチ(トウヨウミツバチ)はこのダニに耐性がある、と言われています。ダニが体についても自分でふるい落とすことが出来るらしい。凄いな日本ミツバチ!

グローバリゼーションの余波でこのダニさんも欧州に上陸した結果、このダニを進化の過程で知らないセイヨウミツバチたちはいい餌食になっちゃっているんだそうです。。だから欧州の養蜂業界で薬剤(殺ダニ剤)散布が盛んになっちゃった、という側面もあるそう。BIOでのハチミツ作りをするうえで、バロアとの闘いは絶対避けては通れぬもの。ココで薬剤を使うかどうかで「本当のBIO」なのかが問われる正念場なのです。

すでにバロア出現のニュースは出ていたので、さっそく蜂箱を確認。あー、ハチさんこんにちは♡ お仕事ご苦労様です♡

目視ではバロアを確認できなかったけれど、すでに「バロア出現」のニュースはイタリア中を駆け巡っているので絶対いるはず。ここで何の対処もしないとハチ箱全滅するんで、目視出来なくてもバロア対策を行います。

バロアの確認方法は簡単で、働きバチさんをざっくりガラス瓶に入れ粉砂糖と一緒にシャッフルするだけ! ごめんねハチさん!
・・・。なんだか白い塊になっているのが、サンプルとして取った働きハチさん達。もちろんみんな生きてるけど・・突然粉砂糖まみれにされ、しかも師匠のシャッフルがキツメで。。。きっと車酔いみたいな状況になってます。ごめんねごめんね。

で。蓋部分に目の粗いガーゼをして、余分な粉砂糖を水の上に落とす・・・水の上を確認することで、ハチさんの体に付いていたバロアをはがし落として目視できるっていう訳。BIOはちみつを真面目に(?)作っているところでは、バロアがいるかいないかはこの方法で確認するんだそうですよ。

お金と時間に余裕のある方は、この粉砂糖でシャッフル作業をすべてのハチさんに行い、バロアの成虫を除去します。ただ、粉砂糖を使う方法は非常に時間も手間もお金もかかるので・・・BIOはちみつの世界ではシュウ酸を使います。中にはシュウ酸より確実に効果のあるギ酸を使う人もいますが、ギ酸(もともとは蟻由来の酸)は分量間違えるとハチさんも皆殺しにしてしまうので。。。初心者の私はシュウ酸を利用。水で10倍以上に薄めて使います。

シュウ酸は、山芋削って肌が荒れる方の「肌荒れの原因」ですね。蓼類の植物とかほうれん草・サトイモなんかにも含まれています。シュウ酸液を撒くことで寄生していないと生きていけないこのダニを、ハチさんの体から引きはがせるらしいんですね。で、これで今いる成虫のバロアはある程度減らすことが出来るんですが・・

問題は今、卵のバロアちゃんですよねってことで。

バロアがすでにハチ箱の中で繁殖している前提で、これ以上ハチさんの新しい卵にバロアを寄生させないため女王蜂を隔離。師匠は白いプラケースの中に女王蜂さんをお引越しさせました。このプラケース、働きバチは出入りできる穴が開いていて、女王蜂は産卵ができないけれど働きバチからのお食事は貰える環境になっています。これにより、自然のサイクルの中でバロアも、バロアに寄生されている(かもしれない)ハチも淘汰できるってい訳。※女王蜂の隔離は約20日間です。

粉砂糖まみれにしちゃったハチさん達も巣箱に帰して、本日の作業は終了。

女王蜂を元に戻す前に再度シュウ酸液を撒いて、前回退治しきれなかったバロアの駆除も行います。シュウ酸2回の散布でおよそ98%の駆除率になるんだとか。散布方法や女王蜂の隔離期間を間違えると、バロアがひっそり生き延びて・・なんてコワイ結果になっちゃう養蜂家さんもいるんだそう。

このあたりはぜーんぶ師匠におまかせ、です(笑

女王蜂隔離用のプラケースを入れるために取り除いた蜜に、働き蜂さんが群がっていました♡

写真でも今のところバロアは目視出来ないけれど・・・今後も健康に気を付けて(笑)お仕事にいそしんでいただきたいもんです♡

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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