Pentedattilo/カラブリア州のゴーストタウン・ペンテダッティロ。

カラブリア州南部のレッジョカラブリア県内のペンテダッティロ(Pentedattilo)。5本指のようにも見える岩山・モンテカルヴォリを背中に正面には地中海を臨む、急な崖に作られた小さな村で「ゴーストタウン」として有名です。

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ちょっと村の歴史でも

ペンテダッティロには、1800年代後半にイタリア統一がなされるまではそれなりに人が住んでいました。現在記録で確認できるなかでは、紀元前5世紀には村があったとのこと。

その後南イタリア各地が近代化するにつれ、交通が不便だったり度重なる地震などの影響で徐々に村内に暮らす人が減り、1970年になる少し前、最後に残った村人たちが公に「もうここには住めません」宣言をして住民が0となったゴーストタウンです。

ペンテダッティロへの行き方と村のようす

レッジョカラブリアから東進する街道からも、ペンテダッティロの背後にそびえるモンテカルヴォリの威容を見ることが出来ます。荒野にぽこーんと突き出た岩山。どう見ても水に苦労する嫌な雰囲気しかない山の崖に作られているのがペンテダッティロです。

なお、村へ行く公共交通機関はありません。(夏場は運航時刻すら怪しいバスが運行する事もあるらしい)
公共交通機関を利用して到達するのは無理なので、タクシーで約1時間ほどかけて行くか、レンタカー必須です。

村の入り口に小さな広場があって駐車場として使えます。ここに車を置いて、あとは徒歩。でこぼこ道をひたすら徒歩なので、歩きやすい靴は必須です。
あまり立ち止まらずに村内をぐるっと回ると所要時間は1時間半ぐらいですが、崖に作られた村なので往路は登り。復路はひたすら下りです。心の準備をしておいてくださいね。

ゴーストタウンと言っても最近になってアーティストなどが移住してきているので、村内にはなんとなく人の気配があります。村の入り口にある教会も綺麗に整備されていて、この脇に貴重な公共の水道が!

この教会まで、駐車場から延々と登りです。頑張って歩いて10分かからないぐらい。夏場は炎天下を歩く事になるので、暑さ対策はしっかりと。
ちなみに冬は耳が千切れるほど冷たい風が吹くんだそうです。

運が良ければオープンしているお土産屋さんも数軒あります。
特にここ数年、外国人観光客に密かに人気のスポットらしく、怪しげな英語も通じるようになりました。 

この異様な風景。
人の気配は何となくあるけれど、ゴーストタウンの風情がとにかく怖いです。
お土産ハントも良いけれど、当時の人々の生活の様子を想像しながら、崩れかけた家の後、ぼろぼろの塀などをじっくり見て回りたい、ちょっと変わった訪問先です。

おまけ

カラブリア州内で、ここまで迫りくる貧しさに圧倒される場所も珍しくなりました。

周囲はとにかく荒涼とした大地。薪になりそうな樹もなく、水が豊かな風景では全く無い土地です。
夏は強烈な日差し、冬は冷たい風。正面の海は海賊が出没し、山の肌を削るようにして作った村で身を寄せ合って暮らしていた人たちの生活を思う場所です。

ともあれ。
村からの帰り道。今では穏やかな海となっている地中海が素晴らしく美しいので、急ぎ足の訪問はNG。ゆっくり巡ってください。

レッジョカラブリア市から日帰りもできる距離だし、レッジョを朝出発・ペンテダッティロを訪問後そのまま東進、イタリアの美しい村にも選出されているジェラーチェまでならその日のうちに到達できる距離感です。
レッジョでちょっと余裕のある日程だったら訪問を考えてみても良い場所かと思います。

ペンテダッティロ周辺にはレストランや売店が無いので、レッジョからの街道沿いで何かしら入手しておくのがお勧めです。道路沿いに大き目スーパーが見えたら停車してお買い物を済ませておきましょう。とにかく人気が無い場所なので、置き引きやひったくりなど軽犯罪にご注意を。
車の中に置いてある荷物が見える様にはしておかないでね。

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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