Lungro/アルブレーシュ(アルバレッシュ)の人々の首都ルングロにある普通に住んでる家が博物館な件

アルバニア系イタリア人の首都と呼ばれるルングロ(Lungro)という村の、1515年築のお宅にお邪魔してきました。アルバニア系イタリア人・アルブレーシュ(アルバレッシュ)貴族に伝わる、個人所有ながら博物館級の素晴らしいコレクションの数々のうち一部をご紹介します。

目次

ルングロはこんなところ

カラブリア州コセンツァ県の中ほどにあるルングロは、イタリア中に暮らすアルブレーシュ(アルバレッシュ)の人々が首都的な場所と思っているところ。規模とすると小さな村ですが、村の中心にDuomoがあり、ここに彼らが信仰するカトリックの一派の大司教座があります。
とても美しい内部なので必見。

この教会以外に見所がないのが辛いのですが、アルブレーシュ文化に興味がある場合は訪問して損はないと思います。

かつての貴族のお宅にお邪魔してみよう

それではお宅訪問。
まずは何てことない長持ちの中から出てきた、軽く100年は経っている民族衣装の数々。現役で使われています。

当然、修理もできない大変貴重な物。もちろん手作業の豪華な刺繍、金糸で縫い取られた華麗な装飾。

現当主は女性です。
音楽家でもありアルバニア本国のみならず、バルカン半島各国からも敬意をもって扱われる、本場貴族の末裔ですがとても気さくな方で、私も大好き。彼女がコンサート時に好んで使うこちらのジレは、ずっしりと思い金糸の刺繍が印象的。

イタリア史にも功績を残したご先祖様多数。書庫にある一番古い本は300年以上前の物。ほぼすべての本がラテン語で書かれています。

オスマントルコの侵攻にあい、故国を逃れたアルバニア貴族。その貴族たちの長ともいえる立場にあったのが現当主のご先祖。時代が下り、アルバニアが国として復活した際、最も重要だったアルバニア語の復権にも多大な功績を残したご先祖もいます。(オスマントルコ時代、アルバニア語の使用は禁じられていました。数百年に及ぶオスマン統治の結果、本国アルバニアではアルバニア語が忘れ去られてしまったそう)

アルバニア本国へ向け、古語アルバニア語(アルブレーシュが守ってきた言葉)を基に文法書を作成してあげた学者の内1人もこちらのご先祖。貴重な手書きの文法書が残っています。何、この貴重な古書! (見せていただけます)

この貴族の館にご宿泊いただくことが可能です。詳しくはお問い合わせください。

ルングロへの行き方

車が必須。高速出口からおよそ30分ほど。ナビを使えば問題なく到着できます。
村の入り口付近とDuomo周辺に駐車場あり。
近郊にアルトモンテ(Altomonte)があります。アルトモンテからは内陸の道を使い30分ほどです。

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

お問い合わせはお気軽にどうぞ

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