イタリア最大の規模を持つポッリーノ国立公園内には数々の小さな村があって、パパシデロ(Papasidero)もその一つ。
この辺りは夏でも水量の衰えないラオ川に支えられ、数万年前から人が暮らしてきた地域です。
パパシデロはこんなところ
海から内陸に入ること数十キロ。
ラオ川が作った渓谷の狭いところに作られた村には耕作に適した土地が少なく、古くはさらに内陸地域との物流の拠点として栄えました。ローマ時代の硬貨がゴロゴロ出てくる程度には重要な土地だったようです。
現在は農業と酪農、夏場の観光が主な産業です。
渓流の周辺はたまに野鳥の声がするだけ。夏でも冷たすぎる水に足を浸すことは無いけれど、水の上を渡ってくる風の清涼さを満喫できます。
正面にパパシデロの城址。現在は少しだけ修復され、野外公会堂のような利用がされています。
標高500mもない場所だけれど、夏場でも山間部の冷え込みはそれなりに強く、夕方になったら厚手の上着が無いと鳥肌立つぐらい気温が下がります。
近年、ラフティング目的で訪れる人がぐっと増え、併せてB&Bやアパートなどの宿泊施設やピザ屋さんが営業しています。さらに、もともとあった保存食つくり文化が見直されるなどして、ほんのり盛り上がっている場所です。
全く一般的な観光地ではないけれど、人の手が入っていないラオ川でのラフティング・カヌーが目的の訪問者でにぎわう村は、冬季になるとぐっと寂しい雰囲気に。訪問するなら夏がおすすめです。
パパシデロへの行き方
車の利用が便利です。高速出口から山道を30分ほど。海沿いからもおよそ40分かかります。基本的にずっと山道です。
バスはモルマンノ(Mormanno)とスカレア(Scalea)を結ぶバス便がパパシデロを通過します。