カラブリア州コセンツァ市の裏山・シラ国立公園内を目的地に向けてドライブ中の出来事。先週のことです。
訪問地が幹線道路から外れた県道沿いで、車が何とかすれ違える程度の道を5㎞ぐらい進んだ先にいたのがこちらの牛さん。シラ国立公園内は酪農が盛んな土地柄。「あー、のどかな場所ですねぇ♡」なんて言いながら車を進める運転手&撮影に忙しい人たち(笑)だったんですが・・
さらに5㎏ほど進み、大きなカーブを曲がった先に、こんなご一行様が!
・・・ん? ヤギじゃないw
げ。野良ウシ!(←違いますw
放牧地からフリーダムに出てきて、好き勝手に歩き回っている牛さんの軍団です。牛は大変賢い生き物で、時間の感覚・方向感覚もしっかりと持っていると言われていて、必要があれば帰るべき場所に到着すべき時間に「帰宅」できる能力の持ち主。逆に「フリーダムで行く!」と決めたら、その重量級の体重を生かし、大抵の柵は破るしあちこち付き進めるだけのパワーも秘めている動物。
しかも、軍団の親分みたいなのがこっちをガン見していて、可愛いんだけどこわいー!
車をゆっくりゆっくり、たまーに停止しながら前に進みます。こちらに頭を向けているのは、エンジン音にちょーっと警戒しちゃった群れの強いメス。頭を下げてツノ見せているのは「アタシに変な動き見せるんじゃないわよ」的な威嚇行動です。
メスはオスよりも気性が柔らかい個体が多いですが・・・彼らが本気で怒ったら車なんて一撃で吹っ飛ぶし、かるーく角が当たった程度でも車体に穴が開く。。。さらにアルことに早いうちに気が付いてしまったイタリア人運転手は、群れの中を通過しきるまで全身にいやーな汗をかいていたとかw
それは・・
この群れ、お子様連れでしたー! お子様のいる群れの、子育て中でないメス牛は相当気が荒くなっていると言われていて。。。だから運転手は全身に冷や汗、だったわけですなw お疲れ様です。すいません、日本人グループは写真撮影に忙しくてw
象さんの群れと同じく、母親以外のメス牛も群れの子供を守ろうとするんだそうです。牛さん・・・賢い♡
子牛は何にでも興味津々のお年頃。車にそーっと近づいて来た仔もいましたよ♪
基本的に牛は穏やかで賢い生き物。群れに危険がなければ、興味津々でこちらを観察に来ます♡ 特に子牛と若い仔たちはほんっとーにクリクリの目ででじーーーっとこちらを観察に来ます。ここで群れの若い個体をびっくりさせなければ大抵大丈夫。
逆にクラクションを鳴らしたり、無理な運転や急制動を掛けたりするのは厳禁です。ただこれは、あくまでも牛さんの生態がわかっている人が一緒にいれば、のケース。観光客が運転する車が同じ状況に会ってしまったら、できればUターンして群れの中を突っ切らない方が無難です。覚えておいてね♡
実は色々「持ってる」この日の運転手君にはさらなる受難が待ち受けておりまして(笑
それがこちら!
6月のカラブリア州だっていうのに、まさかの根雪! そういえば昨シーズンはいっぱい降ったもんねぇ。。
なんてのんきなことを言っていたら、道路がこんなことに(涙
全面が雪で覆われてます。深いところで15㎝ぐらい。しかも、溶けだしてて柔らかくなってる雪。
車はフォーシーズンのタイヤ履いてますが・・この道、実はこんな構造です。
タイヤがずりっと滑ったら、30mほどは落ちるね♪っていう場所(涙
どうりで対向車がいないわけだねーなんて言いながら、日本人グループは念のため下車。運転手君が半分涙目(笑)で右側の轍をまたぐようなルートで何とかこの根雪ゾーンをクリアいたしました。ここを突破しようという判断には、運転手君が実は昨日もこの道を通過していたこと、加えて運転手君が衛星電話持っていた、つまり何かあったら確実に救助依頼ができる環境にあったっていう点も非常に大きかったです。
さらに、訪問予定地の人たちと綿密に連絡を取っていたので、我々がこの「根雪ルート」で到着するのをわかっている人がたくさんいた、というのもあったかな。
超が付くぐらい人里離れた場所なので、しかも地元の人はこの根雪のことを知っているのでおそらくこの道は通らない。。もし何かあった場合のことを考えると、夏場と言えども根雪や道路状況によっては来た道を引き返す判断をすることも重要だな、と思った今回のご案内でした。。。
牛の群れを突っ切り、根雪の山を抜け、たどり着いた場所はこの世の天国♡
一切人工的な音がしない場所で、まったく人の気配がしない場所で、予定通りの行程を終えることが出来ました。
牛は・・・まぁ仕方ないとしても。6月に根雪。。。カラブリア、色々と侮れません。