コゼンツァ人なら誰でも知っている、街で一番古いバー。それが「カッフェ・レンツェッリ(Caffè Renzelli)」です。
旧市街地の一本道をずーっと上り、Duomoのすぐ後ろの左手。室内には、開業当時をしのばせる古い機械がたくさん並ぶレトロな空間です。
外壁に創業1803年としっかり印字。ヴェネツィアにコーヒーが到着したのが1700年頃なので、約100年かかってカラブリアにコーヒーが到達したっていう訳ですね。
イタリアはまだまだ1つの国ではなかったので、物流面を考えたときに100年が早いと感じるのか、遅いと感じるのか。。。近所には近代的なバーもできていますが、現在の店主もかたくなに「昔ながら」を保つ方針。友人間では「変人」扱いですが、この方針が評価され、あちこちから表彰を受けています。
生前の義父に連れてきてもらったこともありますが、内装はずーっと変わっていないんだそうです。で、今後も変える予定は無いそうで。
あちこち手すりが付くなどバージョンアップはしているけれど、家具は昔のままのものを使っているそう。そういえば大理石のテーブルの縁がものすごい勢いでガタガタですが、これも約200年経っているんだと思えば納得です。
カラブリア人にとっては、というかコゼンツァ人にとっては貴重な資料も飾ってあります。
ナポリのアカデミー発足時に大変重要な役割を果たしたコゼンツァ人の資料とか、コゼンツァ出身の詩人の詩とか。このピアノも現役で、鍵盤はもちろん象牙でございます。
外観もほぼ200年前のままだそうですよ。屋号の部分だけ最近綺麗にしましたが、いつ行ってもなじみ客がいる、そんな旧市街地の顔でもあります。
Gran Caffè Renzelli
Corso UmbertoⅠ, 1 Cosenza