私がカラブリア州在住になったわけ

東京生まれの東京育ちな私。
日本人も多く文化の街・ボローニャ市の便利な旧市街地に住んでいたのに、なぜカラブリア州コセンツァ(Cosenza)市在になったのかについて。

これにはまず、カラブリア州在住になっても夫婦共に仕事があったという大前提があります。
で、ボローニャ市でイタリア生活について何となく理解できたうえで、カラブリア州在住を選べたというのは幸運だったなとも思う。

さてさて。私がカラブリア州在住になった理由。
文字ばかりですが、ご興味のある方はどうぞ。

空気が良い

ボローニャ市は特に冬場、最悪に空気が悪い街でした。都会だし、工業も盛んな地域なので仕方がないけれど。

一方コセンツァ市の裏山は「ヨーロッパで一番空気の良い場所」にも選ばれたシラ(Sila)国立公園。

温暖な気候のため暖房もガンガン炊く必要が無く、暖房排気による空気汚染は最小限。街中はそれなりに車の往来は多いけれど近隣に重要な工業地帯も無く、さらにセメント・陶磁器系の空気がすっごく汚れる工場が50㎞圏内にはないので。。。ボローニャとは比べ物にならないほど空気がきれい。

呼吸器系が少し弱い私、健康で文化的な生活の文化の部分はちょっとアレして(笑)、健康の方をとりました。

ご飯が美味しい

これ、大事。

ボローニャ在住時代は、相当郊外まで美味しい野菜を求めに行ってた我が家。それでも、ボローニャの野菜の味の薄さには毎度涙目でした。唯一ボローニャ界隈で「ここのモノがコセンツァで手に入る物より美味しいかも!?」と思えたのはサクランボぐらいかな…

それに引き換えコせンツァは、そこいら辺で売っている野菜が普通に美味しいので。。すいません、食いしん坊にはコせンツァの方が断然住みやすいです。

お財布に優しい

以前犬にかかる費用で比較してみたけれど(カラブリア暮らしはお財布に優しいのか。犬の固定出費で見てみよう!)、コセンツァではボローニャの時に比べ食費が約2分の1になりました。外食費も安くなったので・・トータルに考えるとボローニャの3分の1。

収入は全く変わらない上、税金関連はほぼボローニャ時代と同額なので、結果的に相当な負担減。お財布に優しい街です。

観光客が少ない

ボローニャが観光の街として発展を遂げるなか、ボローニャ市に住む住民はそれなりに不便を強いられています。例えば、旧市街地の歴史ある店舗はどんどん店じまいし、代わりに入るテナントはファーストフードとか、××チェーンとか、そういったお店ばかり。

旧市街地内のスーパーも、住民用にに野菜を売るより、観光客向けの超少量パックや出来合いのパスタソースなどを多く置き、街に活気があるのは良いけれど住みにくい街になったな、今後もっとなるだろうな、という雰囲気だったのが2014年頃のこと。

一方観光客が少ないコセンツァ市は、オーバーツーリズムの影響なく普通に暮らすことが出来る環境で。これも魅力的でした。

海まで30分、山まで30分!

コセンツァから海岸線までは車で30分ほど、スキー場まで車で30分ほどです。
引き換えボローニャでは海へも山へも時間かかり、スキー場まで2時間弱ほど。海は…激混みの上、遠浅のアドリア海なので行ったことない(笑

結論として
コセンツァだと、なんか人間らしく生きられそう。これが私の移住の動機です。(仕事があったのは大前提ですよ。繰り返すけど。)

ほとんどの人たちが仕事場~自宅の距離が30分圏内での生活。たいていの職種で昼食時間はたっぷり3時間~4時間あります。
ゆったりと暮らし、家族との団らんの時間を十分持てる。
美味しく健康的な暮らしを安価ですることができる。
大きな街で便利に暮らすのも良いけれど、私にはゆっくりした生活が魅力的に感じられました。

まぁ、北部イタリア大都市の「便利な生活」も、東京での生活に比べたら相当不便なので、都会の生活は一時帰国の際に満喫すればいいやーっていうのも本音だけど(笑

ちなみにコセンツァのダメな点と我が家の解決方法を挙げると以下の通りです。

・医療面で北部に大変劣ります。大きな・複雑な手術の場合はナポリ・ローマ・ボローニャ・ミラノの大病院に入院するのが普通。
→ 親族に医者が多いので、イタリア中に医師ネットワークがあり問題クリア。このコネがなかったら、カラブリア州在住は考えなかったです。


・公共サービス面で北部に劣ります。例えばボローニャのような大きな市営図書館は無い!
→ こればっかりは諦めましたね。もちろんカラブリア州内、コセンツァ市内にも美術館や図書館はあるけれど、ナポリやローマ、北部イタリア都市に比べると格段に劣ります。
ボローニャの様な街全体が文化圏!といった環境に暮らすことをあきらめるのは、確かに勇気が言ったのだけれど、先述のように健康の方を選択しました。

・失業率がひどい。新卒~35歳ぐらいまでの若年層の失業率はなんと40%超え。
→ 仕事面についてクリアできたっていうのも移住を後押ししました。仕事の確約がなかったらカラブリア移住は絶対無理!

完全移住からそろそろ1年。何とかなっているので、今後も何とかなりそうです。

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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