中部イタリアの包む系パスタと言えばトルテリーニ。
特にボローニャ市はトルテリーニの街として有名です。
トルテリーニの様に残り物のサラミやお肉、チーズを混ぜて具を作り、卵生地のパスタで包むパスタは中部イタリア全域にあって、地域によって使われる具材も様々。呼び方も様々です。
そういえばマルケ州周辺のカッペレッティもトルテリーニと同種(や親戚)の扱いだったような気がします。
我が家では在住経験もあるボローニャのレシピで作りますが、州都をボローニャとするエミリアロマーニャ州の北の方では、なんでも野鳥の肉を使う地域もあるそうで。
色々な地域のバージョンを食べつくしてみたいなぁという思いを日々強くしているところです。郷土の食べ物って面白いですよね。
年末恒例トルテリーニを作った
我が家はボローニャの公式レシピに近いレシピを使っています。
エミリアロマーニャ州にはトルテリーニ協会などという組織があって、ボローニャの「トルテリーニとは!」みたいな定義づけをしているのですが、まぁそれは置いておいて。
ともあれ、我が家ではクリスマス前に大量生産→冷凍保存しています。
期間限定で山の様にできるトルテリーニの在庫の前で、ちょっぴり富豪感を味わえておススメ。
本日はトルテリーニは手元にある前提で茹で方(?)などをサラッとご紹介します。
ところで、トルテリーニ作りの際に余りがちな具のリサイクルレシピはこちらからどうぞ
トルテリーニインブロード(Tortellini in brodo)を作ってみよう
トルテリーニと言えばブロードで頂くことが多く、トルテリーニインブロード(Tortellini in brodo)と呼ばれます。
このブロードにもボローニャ公式レシピがありまして、このレシピではカッポーネ(Cappone/去勢鶏)を使います。
ところが、実は私、この去勢鶏のブロードの香りが少し苦手。
という訳で我が家では、野菜(玉ねぎ・人参・セロリ)と骨付き牛肉・骨付き鶏肉でブロードを取っています。
加える香草(ハーブ)は主に月桂樹ですが、入れることもあるし入れないこともあり、気分で決めています。
なお、丁子の様に香りの強い物は絶対に使いません。
この他、骨付きの牛肉(子牛が美味しい)や豚肉などを混ぜて使う人もいて、ブロードの種類も本当に様々。色々試して自分の好みを探っていくのも面白いもんです。
我が家のブロードは材料を全て鍋に入れ、塩と黒コショウ(粒)を加えて弱火でコトコト数時間ほど煮込んだら完成。1度漉して余分な脂を取り除いています。
ブロードレシピ
ロードを固形のブイヨンや液状で販売している物でも代用できますが、時間がかかる物の簡単なので…ぜひ作っていただきたいな、と。ホント、簡単なんですよ。
それでは、我が家のブロードの作り方。
まずは材料がこちら
- 骨付きの牛肉 300g位(煮込み用の部位が良いです)
- 鶏の骨付き肉 200g~300g位(お肉よりも骨が大事なので、もも肉とかでなくて大丈夫)
- 玉ねぎ 半分
- 人参 1本(イタリアの人参は小さめなので、日本の人参なら半分でも良いと思います)
- セロリ 20㎝位
- しお、黒こしょう(粒) 少々
- 好みの香草(私は月桂樹の葉を気分で1枚入れたり入れなかったり)
- 水 適量(材料が被るくらい)
作り方
- 大き目の鍋に材料をすべて入れ、極弱火で数時間コトコト煮込む。気になる人は、灰汁を適時掬う。
- 出来上がりを1度漉す。(脂浮きが気にならない方はそのまま利用してもOK)
時間はかかるけど簡単なんです。
使うお肉や香草は本当にご家庭や地域によって様々。正解がある物でもないので、色々試してお好みを見つけてください。
我が家では、少し多めに作ってしっかり漉したブロードを冷凍もしています。
キューブ状にして冷凍すると、ブロードのストックになるので便利ですよ。
トルテリーニを茹で方
取ったブロードでトルテリーニを茹でる人もいるようですが、ブロードの透明感が失われるので公式レシピ的にNGとされています。
私もせっかく綺麗に取れたブロードが濁る上、パスタのデンプンとブロードのねちょねちょ感(←言い方)が好きではないので、トルテリーニは別茹でしています。
別茹でといっても簡単で、塩を軽めに入れたお湯がグツグツ煮立っているところに冷凍庫から出したてのトルテリーニを投入すればOK。
乾燥している出来合いのトルテリーニを使う場合も、ブロードを購入した物で代用する場合も、トルテリーニは別茹でがお勧めですよ。
トルテリーニが好みの茹で加減になったら、温めておいたブロードに加えて完成です。
ブロードの中で少し休ませてからサーブすると味が馴染んでさらにGood。
さて、お鍋に残ったトルテリーニとブロードはズッピエラ(Zuppiela)と呼ばれるスープをテーブルに出すための器に移してから、もしくはお鍋のまま(笑)、テーブルに出しますよね。
この際、蓋はしない。
これ、結構大事。
蓋をする事でトルテリーニの過熱が進んじゃいますんで、蓋はしないがデフォでございます。
お変わりしても断然美味な自家製トルテリーニインブロード。
是非寒いうちに作っていただきたい一品です。