3月19日はキリストの養父*・聖ジュゼッペをお祝いする日とされていて、イタリアの父の日にあたります。
コセンツァ市にはフェデリコ2世(フリードリヒ2世とも。1194年~1250年)によって整備された聖ジュゼッペのお祭り週間がある事も重なって、盛大にお祝いする習慣があります。
昨年も今年も、例のアレの影響で残念ながらお祭りは開催されませんでしたが、それでもこの日のお菓子・ゼッポレ(Zeppole)を作って小さくお祝いしました。
養父・聖ジュゼッペ*:キリストのパパさんである聖ジョゼッペが「養父」なのは、マリア様が処女受胎されているから。厳密には血縁関係が無いとされているんですね。お疲れ様です。
ゼッポレとは
カラブリア州内でもそれぞれの地域に様々な「ゼッポレ」が存在し、ナポリを心の首都とお慕いしているコセンツァ市では、ナポリの揚げシュー生地の物か焼きシュー生地の物が「ゼッポレ」と呼ばれています。
南イタリアにおけるゼッポレは、日本の今川焼・大判焼き問題(?)にも似ています。
コセンツァ市以外のカラブリア州内にはお団子状の揚げドーナツを「ゼッポレ」と呼ぶ地域があったり、大失敗したエクレア(←失礼)の様な形状の、シューほど軽くない焼き菓子を「ゼッポレ」と呼ぶ地域もあり、揚げるのか・焼くのかでも分かれますが、我が家のゼッポレはシュー記事の焼きゼッポレです。
ゼッポレの作り方
シューを焼ける方には本当に簡単なレシピです。
作り方
- シュー生地を丸く出してオーブンで焼く
- 横半分に切り、中にカスタードクリームもしくはシャンテリークリームを敷き詰める
- クリームをサンドイッチするように蓋をし、好みで上部にクリームを乗せたらアマレーナ*を飾る
本来的にはゼッポレ専用の生地のレシピがあるのですが、卵黄多めに使うので我が家では一般的なシュー生地で代用しています。
カスタードクリームだけを入れるご家庭が多い様ですが、私は中に詰めるクリームについてはシャンテリーの方が好き。そして、上部に乗せるクリームは断然カスタード派です。
シャンテリーはカスタードクリームに別に泡立てたホイップクリームを少量加えて作るクリームです。私は厳密にはシャンテリーとも呼べない位の軽さを出したクリームを入れるのが好き。
アマレーナとの相性が良いように思います。
我が家のアマレーナは絶対にFABBRI社製の物。これじゃなきゃダメ。
最近、少し実が小さくなったような気がするんですが…気のせいだよね
アマレーナ*:少し苦味のあるサクランボの仲間をシロップ漬けにしたもの。FABBRI社はエミリアロマーニャ州の老舗です。
おまけ
この、シロップがカスタードクリームの上をだーっと流れて、シュー生地がひたひたになってる所がまた美味しい。FABBRI社製のものは、シロップの甘味とアマレーナのほんの少し感じる苦味が絶妙だと思います。
作業工程とすると、前日のうちにシュー生地焼きとカスタードクリームを作るところまでやっておいて、当日朝に組み立てています。
組み立ててから数時間経ったものが美味しいと思うので、朝ごはんの支度をしながらクリームでにゅるにゅる遊ぶのが3月19日のいつもの光景です。