ここ数年、イタリアでも大人気なのが「古代小麦」という食べ物。近代の品種改良がおこなわれる前、要するに現代小麦の「親」ともいうべき品種群のことを指します。人間が小麦を作り始めて数千年。この歴史の中でもちろん品種改良は行われてきただろうけれど・・近代ほどの科学技術が無かったので(当たり前だけどw)、長い年月をかけて地域性に合った品種を作り出す、というかセレクションして掛け合わせて。。と気の遠くなる作業を経て地域にあった新たな麦を作ってたわけです。
で、近代に入って技術が進み、結構えげつない品種改良を短期間で行った結果の代物が現代小麦と言われていて「現代小麦は糖質がものすごく高い食べ物になってしまった! 糖質やえげつない品種改良が色々よくないんじゃないか?」とか言われています。ココから古代小麦ブームが始まって、俗に「古代小麦」と言われる品種たちが市場に再登場するようになってから早数年が経過した、というところ。
で、古代小麦の良さ云々ではなく。。。私は「古代小麦」という名で売られている、あるカラブリアの小麦が大好きでして。(やっとここから本題w)
近代の品種改良をされていないこの品種で、カラブリア北部と中東部のごく一部の農家さんが自宅用にと細々と耕作していたことから現在に残った、と言われています。ゆっくりと石挽きされているので、ふすまも残ったざらっとしたこの小麦。味わい深くちょっと硬めのパスタに仕上がります。
作り方は普通の小麦と全く同じ。
小麦粉の山にくぼみを作って、ここに水分や卵を入れて捏ね、パスタ生地にしていきます。
カラブリア州の郷土パスタ・ラガネ(Lagane)を作っているところ。ラガネなので常温水を入れたら・・ふすまがふんわりと浮いておりますw
パスタ生地に塩をする人もいるけれど、この小麦でラガネするならいらないかな。。
時間が無かったので、パスタマシーンでタリアテッレ型に切り出しちゃいました。
軽く乾燥させてから頂きますが。。。小麦粉の味がしっかりとしていて、奥深い味になります♡
こちらは別の日。卵生地を作っているところ。
普通の小麦粉よりも粘度が出にくい為、500g以上粉を使う際は結構な力仕事になります。300g程度までだったら「ちょっと今日の生地は固いわね」程度。捏ねている最中からふわっとかおる良い香り。そして、ゆで上げた後もねっちょねちょになったりしません。
水分量の調節は必要ですが、普通の小麦粉と大差なくパスタが打てると思います。ただ、ラザニアなどパスタそのものを食べる系には向いていないかな。小麦粉の香りが強すぎて、ソースの味を消してしまうように思います。
耕作面積が少ないうえに、もともとそんなに収穫量を見込めないので1㎏で6ユーロ前後とちょっと高価ですが。。。この小麦と出会ってから、製菓は別として手打ちパスタには絶対に「この小麦!」と決めて使用しています。
最近は偽・古代小麦とかも出回っているらしいイタリア。そして「古代小麦」ブームはまだまだ続きそうですよ。
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