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カラブリア州の我が家の春夏保存食・2021

農家さんが「採れたよー」と持ってきてくれる農作物を使い、本年も時間を見ては保存食を作り貯めていました。
かつては飢えずに冬越しする為の必須知識だった保存食作りも、今は暇人の余暇の過ごし方の1つとなりつつあります。豊かな時代に感謝しつつ、本年の春・夏に作った保存食の記録です。

昨年の様子はこちらからどうぞ

目次

基本の(?)甘い保存食

4月に積雪のあったこの春は、果実農家さんにとって辛い1年となった様です。そういえば、アカシアの花も咲いたけれど花の中に蜜が無い!という事態も発生し、アカシアの蜜はほぼ収量0でした…

そんな大変な早春を乗り越えた果実は、実は小さく数も少ないけれどぎゅぎゅっと甘味の強い物になって、今年もだいぶジャムやコンフィを作ることが出来ました。


手に持っているのは、甘酸っぱくて大好きな森で摘んできた野イチゴのジャム。例外的に、自分たちで採ってきた果実を使って作った物。この他に、ワイルドブラックベリーも摘んできてジャムにします。
果実のジャムやコンフィは、アンズ、桃、キウイ、いちじく、洋ナシなどで作りました。

カラブリア州の甘い保存食といえば、こちらのモストコットも欠かせません。
ワイン作りの際にまずブドウを潰してブドウジュースを作るけれど、それを煮込んだものです。焦げないように注意して注意して煮込んで、やっととれるドロリとした液体がモストコット。モスト(ぶどうジュース)をコット(加熱調理した)、という意味ですね。

焦がさないように作るのが大変なのですが、クリスマス時期の郷土菓子作りに欠かせない物なので、本年も少しだけ作りました。

ドロリ系の甘い保存食は、この他にこれから作るイチジクのメラッサがあります。
これは、乾燥イチジクの煮汁をさらに煮込んだもの。我が家では乾燥イチジクの加工に向かずにはじいた物を使って作るので…作業は大体11月中頃に行います。
とろりとしていて、苦くて甘くて。独特の風味がくせになる美味しさなんですよ。

この他、

大好きな桃のコンポートもたくさん作りました。
我が家で欠かせないコンポートはアンズと桃。これさえあれば来年までウキウキで過ごせます。

南伊の定番・野菜の保存食

南伊の、カラブリアの野菜の保存食と言ったら、まず思い浮かぶのがトマトの加工品。
で、本年も作りましたよ。約250㎏分のトマトを主にトマトソースに加工しました。
しばらくトマトは見たくないw

こちらは初夏に採れた唐辛子の保存食。
唐辛子自体は12月になっても収穫できるけれど、農家さんのお勧めに従い、辛さが鮮やかだと言われる初夏の唐辛子は可能な限り保存食にするようにしています。

我が家にはとんでもなく忙しい時にしか到着しないジンクスのある唐辛子なんですが、にんにくやフェンネルシードなどを加えて風味をプラスした物も何種類か作ってバリエーションを楽しめるようになりまして、我ながら成長したわ…

ちなみに、唐辛子はペースト状にして保存もします。
これ、オキアミとか入れたらキムチみたいになるんじゃないだろうかと思っているんですが。どうなんでしょうね?

唐辛子のペーストは、このまま出すこともありますが…どちらかというと隠し味や調理行程内に使うことが多いかな。今年のペーストは辛味が飛ぶことなく美味しくできたと自画自賛しております。

ナスやズッキーニなど、南伊を代表する夏野菜の保存食も作ります。
写真はナスのペースト。焦がしナスを作って実の部分だけをペーストにして保存したものです。

この他、かんぴょうの様に薄切りしてから酢を聞かせて保存した「いつものやつ」もかなり作りました。数か月置くとさらに美味なるのですが、お料理する時間も元気もない時にとても助かる副菜となります。
前菜にもぴったり。瓶を開けてそのまま完成の手軽さが嬉しい。

写真は玉ねぎの保存食。
カラブリア州は中西部にかの有名な「トロペアの赤玉ねぎ」がありまして、他にも北部にちょっと珍しい玉ねぎが採れたりと、意外と玉ねぎも美味しい州なんです。

で、やっぱり新玉ねぎは美味しいので…ペーストにしたりチャツネにしておくと色々便利。
このままチーズに添えて出せるし。カレーの隠し味になるし。万能すぎるので本年もだいぶ作りました。

加工品的保存食

こちら、作るのに結構時間がかかる自家製ツナの崩れてしまった身をペペローニ(ピーマン似の野菜)に詰めて保存食にしたもの。ペペローニは味はピーマンに近いけれど植生は唐辛子に似ていて、たまに辛い仔がいます。

農家さんはそのあたりを十分注意してくれているのだけれど…たまーに紛れている辛い実を触ってしまうと、後が大変でw
今年も大騒ぎしながら作りましたが…バタバタしながら作ったのが見て取れる雑な断面でお恥ずかしい限りですw

冬の準備も万端です?

実は秋もオリーブの加工があるので、台所仕事はまだまだ続きます。
我が家はワインを作らないので、その分だいぶ楽だけれど…オリーブの加工も、オイルをはじめ実を潰して種を取ってから漬け込んだり、オーブン焼きした実を保存したりとまだまだ…まだまだ作業があります。

そして先日、春から予約しておいた例の赤い粉の特上物(乾燥パプリカを粉にしたもの)が届きまして。
カラブリア州のサラミ類はコレが無いと作れない!という大変重要な食材が今年も手に入ったので、後は…〆る豚さんの選別かな。。豚さん。。。

 

という訳で。
来春まで続く我が家の保存食作りの一端でした!

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この記事を書いた人

澤井英里のアバター 澤井英里 Sawai Eri

イタリア半島の南端・カラブリア州在住。普段は専門職、趣味で現地コーディネーターやアテンド、通訳などをしています。一応ソムリエ。かに座のAB型。

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